メンテナンスにかかる予算・コストは?新築を建てたあとの修理・修繕費

家のリフォームの様子

新築の家を建てるとき、将来的な家のメンテナンスのことまで考えている方はあまり多くないようです。

またメンテナンスのことは頭にあっても、漠然と考えているだけで具体的にメンテナンスにどれくらいのコストがかかるのかわからない、という方も少なくないでしょう。

新築のメンテナンス費用は意外とコストがかかるもの。ただ、メンテナンス費用を抑えるコツもありますから、しっかり理解しておきましょう。

本ページでは、新築一戸建てのメンテナンスの費用とメンテナンスが必要になることが多い箇所、そしてどのようにして費用を貯めておけばいいのかについてわかりやすく解説していきます。

新築一戸建てはメンテナンスが大切

建設中の家の中

一戸建てはマンションやアパートと違い、メンテナンス費用がかかります。

マンションやアパートなどの集合住宅は、基本的に管理費や修繕積立金などで管理会社がメンテナンスを行ってくれますが、一戸建ての住宅は自分たちで管理していかなければなりません。

メンテナンスをせずとも10年、20年・・・と暮らしていくことはできますが、見た目がみすぼらしくなってしまったり、快適性が低下したり。より長く快適に過ごすためには、メンテナンスが必要不可欠になってきます。

第一せっかく建てた住まいですから、良い状態を継続させたいと思うのは当然ですよね。

例えば雨風にさらされている外壁、屋上、ベランダ、また水回りは経年劣化が早い段階で出やすい箇所。早いと5~10年でメンテナンスが必要になるケースもあります。

もちろんあらゆる部分で少しずつ劣化は進みますから、10年、20年、30年と経つにつれて修繕の頻度は高くなってくるでしょう。

新築戸建てのメンテナンスのメリット

芝生の上の家の模型

もし点検や修理・メンテナンスをおろそかにして、家のあちこちが壊れたままでいると、家自体の劣化が早くなります。

また放置すればするほど、いざ修理しようとしたときのコストが膨れ上がってしまうことが多いのです。

メンテナンスをするメリットは、「家の寿命が長くなる」「修理費を抑える」「家の保証が切れる前に対策できる」「家を衛生的に保てる」などたくさん。

一戸建ての場合、メンテナンスは基本的に数年に一度行うのが良く、10年に一度など低頻度だと気づいたときには手遅れだった・・・というようなリスクも十分考えられるでしょう。

一戸建てのメンテナンスにかかる費用について

家の模型と設計図

家を建てたことで満足していませんか?

確かに家を建てるのは労力も時間もかかりますから、マイホームが無事に完成してほっと一安心、満足感もあるでしょう。それに家は大きな買い物。悩んで立てた資金計画に沿って住宅ローン返済・・・という方がほとんどです。

そうなると、メンテナンスのことまで頭が回らないかもしれませんが、家のメンテナンスにもお金がかかることはぜひ頭に入れておいていただきたいと思います。

施工業者の中には、新築一戸建てを建てたあとのアフターサービスとして無料点検をしてくれるところも少なくありませんが、点検は無料でもメンテナンス・補修工事にはコストがかかるというのが一般的です。

一定期間内であれば修理費の一部を補填してもらえるといったケースもあるかもしれませんが、完全無料というのは考えにくいでしょう。

メンテナンスのことを頭に入れておかないと、急な出費に困ってしまう・・・ということにもなりかねません。

このあとの項目で、実際にどのタイミングでどれくらいのメンテナンス費用がかかるのか、例をあげて見ていきましょう。

築5年目までのメンテナンスコスト

ハウスメーカー

築5年目までは大きな経年劣化は考えにくいのですが、雨風の影響を受ける雨どいや外壁にちょっとした破損が出てきたり、天井や室内の壁に汚れが出てきたりして気になってくることがあるでしょう。

ただ家の完成~5年目までは修理費用もそこまで大きくならないので、この間に将来のメンテナンスを見越してある程度、貯蓄しておくことをおすすめします。

築5年目が過ぎると防蟻処理(シロアリ対策)が必要に。シロアリ対策は新築時に実施して終わりではなく、5年ごとに駆除剤散布などの対策を推奨されます。

【シロアリ対策の相場】

  • 1㎡あたり:1,000~2,000円
  • 1坪あたり:3,000~12,000円

 

シロアリ対策の費用は業者によって異なりますが、20坪で5万~10万円ほどになるでしょう。業者によっては「〇坪まで〇円」というように料金設定しているところもあるので、比較してみてみることをおすすめします。

このシロアリ対策を実施せずにいると、駆除費用・修理代がどんどん膨らんでいきます。ちなみにシロアリ駆除費用は1坪で5,000~1万円(20坪だと10万~20万円)と高額。早めに対策をしておくことが家をキレイに保つ秘訣です。

築5~10年のメンテナンスコスト

古い住宅の雨どい

築10年が経つと、外壁、屋根、内装、設備機器などさまざまな箇所に不具合が出てきます。

修繕内容相場目安
シロアリ対策5万~15万円
外壁塗り替え
・打ち直し
(コーキング)
100万~200万円
クロス張り替え60万円前後
給湯器交換20万~40万円
火災警報器交換8,000円(1箇所)

住んでいる地域の環境や、家の大きさ、使用する建材によって多少異なりますが、合計で20万~300万円。

劣化・破損の状態によっては最大300万円というのはなかなかの金額ですが、これを知っているのと知らないのとでは心構えも全く異なってくるはずです。

築10~20年のメンテナンスコスト

住宅の屋根

築20年が経過すると、今までの使い方やメンテナンスの有無で修繕費用が左右されてきます。一般的な修繕箇所と相場を見ていきましょう。

修繕内容相場目安
シロアリ対策5万~10万円
外壁塗り替え
・打ち直し
(コーキング)
150万~200万円
屋根交換
・取り換え
450万円
クロス張り替え60万円前後
水回り交換数百万円
給湯器交換20万~40万円
給排水交換状態(程度)次第

今まで行ってきたシロアリ対策や外壁・クロスのメンテナンスに加え、新たに水回りや屋根などの大規模な修繕箇所が加わります。修繕費用は程度にもよるのでピンキリとなってしまいますが、300万円から、高いと1,000万円ほどかけてしっかりリフォームされる方もいるようです。

メンテナンス費用は計画的に貯めておこう

ガラス瓶にコインを入れる

ここまで説明してきたように、築5年、築10年、築20年と時間が経過するごとに不定期でメンテナンスが必要になり、また年数に比例して修繕費も大きくなってきます。

そこで重要なのが「資金計画」。住宅ローンの支払いもあるかもしれませんが、それとは別に考えて少しずつ貯蓄していきましょう。

家を施工した業者に相談すれば、メンテナンスの時期やかかるコストについて事例も交えつつ教えてくれるはずですから、気になるときにはぜひ連絡を取ってみることをおすすめします。

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メンテナンスを見越してお金を積立するのもおすすめ!使わなかったら使わなかったでなにも損はないんだから、ぜひマイホームで長く快適に暮らすためにも検討してみてね!

メンテナンス費用は多く見積もって10年後に150~250万円ほど、20年後に1,000万円ほどが必要になりますが、新築当時から積立ておけば、20年後にしっかりと予算が確保できます。

後々困らないように、新築が建ったその月から毎月1万円ずつ積立するとします。毎月1万円、ボーナス時に2万円を2回として積み立てれば、1年間で16万円。単純計算で16万円×20年=320万円ですね。このように大きな出費に備えることも大切です。

銀行で絶対に手を付けない積立口座を作るなどして貯金をしておきましょう。

メンテナンス費用を抑える対策

メンテナンスが必要不可欠とはいえ、なんとかメンテナンス費用を抑えたいところ。

ここではメンテナンス費用・修繕費を抑えるための対策を5つご紹介します。

メンテナンスの回数が少ない建材・施工法を選ぶ

家の設計図

まずは初めからメンテナンスの回数の少ない建材やパーツを使ったり、施工方法を選んだりすること。

破損してもその一部分だけ交換できるものやひび割れしにくい材質を使ったり、サビにくいものを使ったりと、耐久性に優れた建材を採用すると良いでしょう。家購入のコストが少し高くなっても、後々メンテナンス費が膨大にかかるくらいなら初期投資したほうが、労力とお金の節約にもなります。

また修理が高額になるような特殊な部品、修理業者が限られるような部品を極力使用せず、ロングセラー商品を取り入れることもひとつの手。

特に毎日使う水廻りやドア、床などは、劣化しやすい&劣化が目立つものを避けて選びましょう。

定期的にシロアリ対策をする

家の耐久性をアップさせるには、シロアリ対策が有効です。

対策せずにそのままにしておくと余計な修理費がかかってしまうこともあるので、5年に一度床下の点検を受けてたり、状況に応じた対策をおこなうことが大切になります。

ジメジメした高温多湿の地域や木造住宅は特に、湿気から家を守らなければなりません。

シロアリ対策は4つあります。木材の表面に薬剤を最初から加工しておく方法、建築の基礎部分を鉄筋コンクリートで作る方法、床下や庭に駆除剤入りのエサをまいてシロアリの繁殖を防ぐ方法、そして地面に薬剤を散布しシロアリの侵入を食い止める方法です。

ホームセンターなどで駆除剤を購入し自分たちで対策する方法もありますが、プロの業者に任せた方が確実ですし、家にキズや汚れがつく心配もないので、できる限りプロに任せましょう。

こまめに庭の手入れをする

日本風の外壁

庭の手入れでもメンテナンス費用を抑えることができます。実は木の根によって石畳が割れたり家の基礎となる部分に影響が出たりするんです。

時間の経過とともに、いつの間にか木が成長して家に損壊が起きてしまうほか、日当たりが悪くなって湿気が溜まり、結果的にシロアリの原因になる可能性も。

周りの雑草をこまめに抜いたり、日々植物の観察をして適切に管理することで景観が良くなるだけでなく、家の寿命を延ばせる可能性もあるので気をつけておきましょう。

補修箇所は早めに直す

目視で補修が必要になったところが確認できたら早めに直しましょう。

例えほんの小さなひび割れも、早めに修理依頼をすることでメンテナンス費用を最小限に抑えることができます。

自分たちでDIYをして直せる可能性もありますし、業者に依頼するのでも少ないコストで済む可能性大なので、修繕が必要な箇所は放置せずに早め早めに改善していきましょう。

耐久性のある家にリフォームする

ペイントセット

日本は地震が多く、また四季が豊かで雨、風、雪などによる天災も多い国。

そんな天災に対して強い家を建てることも、メンテナンス費用を抑える重要なポイントです。

新築で丈夫な家を建てることはもちろんですが、耐震・断熱に優れた素材を採用したリフォームを検討するのも良いでしょう。

20年、30年と経てば建築技術・建材の質もどんどん進化していきます。より長く住むためには、家の状態を見ながら耐震補強や雨漏り対策など考えていきましょう。

まとめ

新築住宅を建てたあとは、5年後、10年後、20年後どんなメンテナンスが必要なのか?どれくらいのコストがかかるのか?をしっかり把握して、こつこつ積立をしていくのが賢い方法です。

ぜひ本ページを参考に、家を建てた後のコストを把握して今後の予算計画を検討しましょう。

メンテナンス回数が少なくて済む良質な家を建てることも重要。「安かろう悪かろう」ではありませんが、購入時は低コストでも、のちのち大きなコストがかかるような質の悪い住宅はおすすめできません。

そのあたりまでしっかりと考慮し、納得の行く施工業者に依頼するというのも大切です。

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