猛暑(酷暑)に強い家づくりのヒント!夏の暑さでも涼しい&快適な住まいを

涼しい印象のリビングスペース

「危険な暑さ」とも表されるほど、猛暑(酷暑)が続く日本の夏。

だからこそ家では快適に、心地よく暮らしたいですよね。

本ページでは、これから家づくりを考える方へ向けて、暑さに強い家づくりのヒントをお伝えします。

涼しくできるポイントを押さえることで、ずっとくつろいでいたくなる、理想の住まいに近づきますよ。

増えている「猛暑」「熱帯夜」

真夏日の空

1992~2021年の猛暑日数は、1910~1939年と比べ約3.3倍に増加していると、気象庁はデータを公開しています。

さらに暑さは夜まで続き、寝苦しく不快な熱帯夜。

“夜は窓を開けると涼しい”と感じるのは、もはや昔の話となりそうです。

このように極端な気温は、私たちの健康を脅かすまでに変化を遂げています。

自宅(室内)での「熱中症」の恐怖

エアコンのリモコン

湿度の高さや風通しの悪さ、水分補給の不足など、室内にも危険が潜む熱中症。

一概に「エアコンをつけているから安心」とは言えません。

節電やエコを意識しすぎるあまり、冷房の強弱だけにこだわり熱中症にかかるケースも。

浴室やキッチン、2階など、熱中症の危険は、家の随所に見られるのです。

猛暑(酷暑)に強い家のポイント

ここでは、猛暑・酷暑に強い家のポイントを紹介します。

ポイントを抑えて家づくりすることで、快適に過ごすことができますよ。

高気密・高断熱

断熱材

室内に熱が侵入することを防ぐ断熱と、外気との交わりを隙間なく避ける気密。

これらが合わさると、快適な室温が生まれます。

そこで大事なのは断熱材。

以下では、断熱材の種類を解説します。

繊維系断熱材

主にガラスが原料で、コストが比較的安いこともあり、多く使われています。

ガラス繊維でできた、火災やシロアリにも強い“グラスウール”は特におすすめ。

また、鉱物が主原料とされる“ロックウール”も同じ仲間ですが、こちらは吸収性が高く吸音性が高いため、趣味部屋の使用にぴったりです。

木質繊維系

主に木材などが原料となっています。

代表的なのは、古紙を再利用した“セルロースファイバー”。

防水・結露に効果が高くみられ、湿度の高い部屋にも最適。

害虫防止にもなりエコな断熱材ですが、高性能がゆえに、繊維系に比べると高値の傾向です。

また、近年のウッドショックにより、取り扱う業者も少なくなっています。

発泡プラスチック系

硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォームなど、種類は様々。

軽量でありながら結露防止の効果も。

他に比べると、熱には若干弱いところがありますが、価格的には平均的で人気が高い断熱材です。

高機能窓

大きな窓のあるリビング

住まいの気候や立地に合わせた断熱窓を選ぶことで、高い遮熱性を発揮します。

アルミのサッシは断熱性が低く、オール樹脂になると効果は一気にアップ。

劣化・変色しづらいことから、長い目でみると樹脂を選ぶことは必須でしょう。

サッシに組み合わせるガラスは単板・複層・トリプルと主に3種類あり、性能を意識するのであれば、強化であるほうがおすすめ。

断熱性が高いと冷房費が抑えられ、結露も少なくすっきりと過ごせるメリットもあります。

遮熱・遮光

ナチュラルな部屋

熱や日光をシャットダウンするアイディアは、インテリアや外構にもヒントがあります。

遮熱・遮光のためにできる設備を紹介しましょう。

ハニカムスクリーン

 

蜂の巣状のデザインが特徴のスクリーン。

ハニカムスクリーンはリビングだけでなく、小窓にも設置可能です。

セルの中にある空気層により、涼しい空気は内側に、暑い空気は外に逃がしてくれるという仕組み。

多彩なカラーやサイズを選べる他に、開閉も楽なので、ご高齢の方やお子様の部屋にもおすすめです。

インターロッキング

 

駐車スペースは、土間コンクリートを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

インターロッキングとは、見た目がレンガ調のコンクリートのこと。

水を蓄えて、気化熱により表面温度を下げてくれる効果があり、打ち水にもぴったり。

水はけも良いため、大雨の後でも水が溜まらず安心です。

シーリングファン

吹き抜けと窓

インテリアのイメージが強いシーリングファンですが、本来は空気の循環のための設備。

冷気とそうでない部分の空気を混ぜ合わせ、室温を一定に保つ効果があります。

おしゃれで機能的である一方で、高い位置にあるため掃除が大変であることがデメリット。

クリーンな空気を保つためにも、お手入れをしながら長く愛用したいものです。

全館空調システム

換気システムを導入した家

文字通り、お家をまるごと空気調整・換気してくれるシステムのこと。

各給気口から冷気が供給され、どこの部屋にいても涼しく快適です。

エアコンを何台も設置することなく、室外機が1台で収まることから外観もすっきり。

しかし、気になるのは初期費用。

全館空調システムの効果を発揮するには、システムの導入だけでなく、家全体の気密性を上げるための予算も必要です。

また急激に部屋を冷やすことはできず、故障してしまうと全ての空調がストップする点も加味し、検討しましょう。

「ZEH(ゼッチ)」住宅もおすすめ

ゼッチ住宅

エネルギーの自給自足をし、家のエネルギー収支をゼロ以下にする住まいがZEH住宅。

高性能窓や空調システム、太陽光発電、スーパーウォール工法など、省エネ住宅の最上位の基準をクリアした家といえます。

省エネと創エネを掛け合わせることにより、環境に優しく節約も充分に叶う家。

災害時の蓄電もできるため、もしものことがあっても安心・安全に暮らせます。

補助金制度も充実しているため、これから家づくりを考えるならぜひ活用したいところです。

注文住宅で猛暑に負けない家をつくろう

本記事では、猛暑に強い家づくりのヒントをお伝えしました。

家づくりにおいて欠かせないのは、どの季節でも快適に暮らせることです。

厳しい暑さでも快適に過ごせる、“帰りたくなる家”。

そんな住まいを想像し、心地よい暮らしを実現しましょう。

 

ABOUT/本記事を執筆した人

太田 貴也▶ twitter▶ Instagram