二世帯住宅・多世帯住宅(同居)の間取りプラン!快適すぎる最適なカタチ

「二世帯住宅を考えているけれど、トラブルなく快適に過ごせるだろうか・・・」

と不安に感じていませんか?

不安の解消法は、意外とシンプルです。

それは、世帯間での“ちょうどいい距離感”を知ること。今回は二世帯住宅の間取りプランと、失敗しないための注意点を解説します。

「この間取りプランなら、二世帯住宅の暮らしに踏み切れそう!」

両世帯に合った間取りプランを見つけることで、同居の印象がガラリと変わるはず。二世帯・多世帯住宅を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

二世帯(多世帯)住宅が見直されている理由

1960年代以降、人口の都市集中化や高度経済成長期をきっかけに、核家族率が増えていきました。

昔では当たり前だった大世帯。

今ではそのような家族構成が減少し、核家族化の進行はますます減るばかりです。

しかし近年では、二世帯住宅を選択する方も増加傾向にあります。それはなぜか?主に3つの理由が考えられます。

 
【二世帯住宅が増加している理由】

  1. 共働き夫婦の増加により、親世帯の家事・育児サポートが必要になったため
  2. 高齢化が加速していく中、親世代の老後を心配する子世帯が増えたため
  3. 自然災害が目立つようになり、「家族の絆を大事にしたい」という意識を持つ人が増えたため

 

子世帯へ生活のサポートをしてあげたい親世帯と、老後の心配や経済面・育児の面でのサポートを求めている子世帯。このような家族事情の中で、二世帯住宅は両世帯にとってのメリットが多く、再び注目を集めています。

しかし「同居」という言葉を聞くと、特に女性はネガティブな印象を抱く方も多いはず。

ただ、近年の二世帯住宅には、それぞれの家庭に合わせたさまざまな間取りプランが存在します。ですから「同居」への抵抗感から諦めてしまわず、実績ある工務店やハウスメーカーにぜひ相談してみてくださいね。

二世帯(多世帯)住宅の間取りプラン

ここでは、二世帯住宅の基本的な間取りプランを3つご紹介します。

それぞれの特徴を押さえておくと、間取りを通して家族の暮らしが見えてくるはずです。

完全共有プラン

完全共有は、玄関をはじめリビング・キッチン・トイレ・バスルームを全て共有するスタイル。

最大のメリットは、建築(リフォーム)費用や生活・光熱費が抑えられるという点です。

コストを抑えられる分、希望の間取りを叶えやすくなります。

「家族の絆を大事にしたい」「にぎやかに暮らしたい」という世帯に適したプランで、例えば孫世代が小さいうちには、常に祖父母の気配が感じられるのも大きなポイント。

共働き夫婦も安心して働けるでしょう。

部分共有プラン

部分共有は、部屋や設備の一部分を共有するスタイルです。

「経済的なメリットは欲しいけれど、プライベート空間もしっかりと確保したい。」そんな親・子世帯におすすめのプランです。

共有を検討するポイントは、玄関・水回り設備・キッチン・リビングダイニング。

世帯それぞれの希望に応じて、共有スペースとプライバシー空間を分けることが可能です。間取りの自由度が高い分、後からの変更は難しいので時間をかけて決めましょう。

完全共有に抵抗がある方は、部分共有の検討から始めてみてください。

完全独立プラン

完全独立は、建物を上下または左右で分けるスタイル。

「同居には踏み切れないけれど、すぐ近くにいたい。」

一緒に住んでいる安心感がありつつ、それぞれの生活空間が独立しているのが特徴です。

また、やむを得ない転居があった場合にでも、賃貸に出すことや孫の代に譲ることも可能。

思わぬ生活の変化にも柔軟に対応できるのは、完全独立プランならではのメリットと言えるでしょう。

庭やシェア空間、屋上を設けることで、家族の団らんや大人数での集まりを楽しむこともできます。

二世帯(多世帯)住宅の間取りの注意点

ただ単に希望や理想を詰め込むだけの間取りでは、心地よい暮らしに遠ざかるどころか家族が住みづらくなってしまうことも・・・。

“おうち時間”を大事にしたくなる家にするには、間取りにおいても注意が必要です。

ここでは、二世帯住宅の間取りを考える際の注意点ごを紹介しましょう。

各世帯の意見・要望をきく

生活スタイルやお金のこと、暮らしに対する価値観などの意見交換をした上で、間取りをすり合わせましょう。

おすすめの方法は、各世帯で生活においてのルールや譲れない点をリスト化すること。また、要望を書き出して優先順位をつけておくのもおすすめです。

いざ新生活を迎えたときにズレが生まれないよう、とことん話し合いを重ねましょう。

プライバシーを確保する

プライバシー確保の理想は、各設備や空間を完全に分離すること。

中でもトイレや洗面所、浴室、キッチンにおいては、共有することにストレスを感じることも。家を出る時間が重なっていてトイレや洗面所が大渋滞する・・・帰宅時間がバラバラで夜の入浴の音が気になる・・・毎日のことですから必然的に負担になってしまうはずです。

しかし、予算面や両世帯の考えの相違、敷地面積の関係もあり完全分離が難しい場合もあります。

お互いの生活パターンを振り返り、些細なことであってもルール決めたり、どうしてもという部分は予算をかけても分離しておくほうが賢明かもしれません。

安易に決めてしまうと、後悔してしまう可能性があります。

バリアフリー対策を考える

バリアフリー=介護と思いがちですが、実は家族全員が快適で豊かな暮らしをするための重要なポイント。

例えば家の中の段差ひとつを取っても、つまずき防止だけでなく日々の掃除のしやすさや、孫世代の安全対策にもなります。

また、適切な冷暖房や空調設備を設置することはヒートショック予防につながるだけでなく、家族みんなが常にクリーンな空気を感じることができるでしょう。

このように、バリアフリー対策は家族全員が快適に過ごすための工夫なのです。

理想を詰め込んだ快適な二世帯(多世帯)住宅を

今回は、二世帯住宅・多世帯住宅の間取りプランと、失敗しないための注意点を解説しました。

普段の生活リズムの振り返りと、将来の暮らし方に想像を膨らませることが二世帯住宅を検討するスタート地点となります。

事前の話し合いや間取りの工夫、世帯内でのルール決めをすることでトラブルを解消することが可能です。

オンライン化が進み、地域のコミュニティも薄れていく現代社会では、二世帯・多世帯で住まうことは、家族の絆をより深いものにしてくれるはず。

それぞれの理想や思いを詰め込んだ「ちょうどいい距離感」の家づくりを考えてみませんか?

 

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太田 貴也▶ twitter▶ Instagram