キッチンのワークトップ(天板)は人造大理石とステンレスどっちがおすすめ?焦げるって本当?
「人造大理石は熱い鍋を置くと焦げてしまう」「人造大理石よりもステンレスのほうが使いやすい」・・・
このようなキッチンのワークトップ(天板)のウワサを聞いたことはありませんか?それを懸念して、人造大理石を諦めてステンレスキッチンに変更される方がいますが、それはもったいないことかもしれません。
ではなぜもったいないのか?そもそも人造大理石とステンレスにどんなデメリットがあるのか?気になりますよね。
このページでは、キッチンのワークトップ(天板)で人気の人造大理石とステンレスの、それぞれのメリット&デメリットを詳しく解説します。
もくじ
人造大理石のキッチンのワークトップ(天板)は焦げないものもある!
豊富な色の選択肢があり、キッチンの雰囲気をオシャレに見せてくれる人造大理石のキッチンのワークトップ(天板)。
しかし「人造大理石のキッチントップ(天板)は熱い鍋を置くと焦げやすくなる」といった情報もあり、人造大理石にするかステンレスにするか迷っている方は少なくありません。
人造大理石の場合、熱い鍋やフライパンを放置してしまうと、天板が溶けて焦げて(変色)しまうケースがあるのは事実。
軽い焦げであれば、あとから紙やすりなどで磨けばキレイな状態になることがほとんどなのですが・・・とはいえ焦げつきやすいという点がネックになるという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方に朗報が。実は人造大理石でも、焦げつきにくい商品もあるんです。
例えば「TOCLAS(トクラス)」などであれば、熱や衝撃に強い素材を使っているので、直接、熱い鍋を置いてしまっても割れたり変色しにくいように設計されています。
したがって一概に、人造大理石は焦げつきやすく割れやすいものばかりではありません。焦げつきやすいという理由だけで人造大理石のキッチントップを諦めることはないのです。
「天然大理石」「人造大理石」「人工大理石」の違いは?
“大理石”と名前がつくキッチンのワークトップ(天板)の素材は、「人造大理石」だけでなく他にも「天然大理石」「人工大理石」の3種類があり、それぞれ特徴やメリットが違います。
また、見た目はそこまで変わりませんが、機能性や価格は大きく異なってくるのです。
ワークトップ(天板)に使うならどの大理石を使用したほうがいいのか、わかりやすくまとめたので確認しましょう。
人造大理石 | 天然大理石 | 人工大理石 | |
---|---|---|---|
主成分 | 天然の大理石と樹脂等を混ぜたもの | 天然の大理石 | 樹脂を固めたもの |
価格 | 比較的安価 | 高価 | 安価 |
耐久性 | 耐久性が高さに比例して高額になる | 普通 | 優れている |
耐熱性 | メーカー・種類による | 優れている | 弱い |
手入れ | 酸やアルカリに弱いが手入れがしやす | 中性洗剤のみOK | 水・酸に対して耐性があり簡単 |
外観 | 良い | 光沢感があり鏡面仕上げも可能 | 主成分が樹脂のためやや無機質に感じる |
(↑ ディスプレイサイズが小さい場合は横スクロールで表をご確認いただけます)
それぞれどう違うのか、どんな場所に向いているのか詳しく解説します。
人造大理石
人造大理石は「テラゾー」「テラゾ」とも呼ばれ、天然大理石と人工大理石の良いとこ取りをした素材です。
天然大理石、樹脂、セメント等を混ぜて加工しているため、天然大理石よりも比較的安い価格で購入できるのもメリット。
加工方法によっては高い強度、高い耐性を実現することができる点も魅力ですが、高機能になるほどどうしても値段が高くなるのがデメリットです。
人造大理石のワークトップ(天板)のメリット&デメリットについては、このあとの項目でより詳しくご紹介(ここをクリックすると「人造大理石のメリット・デメリット」にジャンプ)しています!ぜひ最後までご覧ください。
天然大理石
天然大理石は、マグマの熱や圧力によってできた自然石を採石し、加工したものを指します。
天然ならではの光沢感や耐熱性があり、ひんやりとした質感があるのが良いところ。見た目の高級感も魅力です。
ただ天然大理石は、表面にミクロな隙間(多孔質)があるため、水分を吸収しやすくシミになりやすいというデメリットも。
加えて加工や運搬にコストがかかること、また産地によってカラー・模様が異なり、ブランド価値が高まっているものがあることから、値段が高額というデメリットもあります。
人工大理石
人工大理石は、樹脂だけを固めて作った完全人工の大理石です。
大理石と似た質感と外観を持ち合わせながら、安い価格で購入できるためコストパフォーマンスに優れています。
加工しやすく、手入れも簡単なので、洗面台、シンク、風呂場など複雑な場所にも使用できます。
ただメーカーによっては、耐熱性が低いことがあるので注意が必要です。
人造大理石のメリット・デメリット
ここからは、大理石の中でも天然大理石と人工大理石の良いとこどりをした「人造大理石」のメリットとデメリットをより詳しくご紹介します。
人造大理石をキッチンのワークトップ(天板)にすると、どんなメリットがあるのか、どういった注意が必要なのか見ていきましょう。
【メリット】
- カラーが豊富
- デザインが豊富
- キズを研磨で消しやすい
- 天板とシンクを一体化できる
- 音が響かず静か
- 水垢が目立ちにくい
【デメリット】
- シミが残りやすい
- 黄ばみが出る可能性がある
- キズがつきやすい
- もらい錆が発生する可能性がある
- 火災が起きると危険
人造大理石のメリット
天然大理石には劣るかもしれませんが、高級感ある見た目が魅力の人造大理石。
実は見た目だけでなく、機能性の面でもメリットが多いんです。そんな人造大理石のメリットからみていきましょう。
カラーが豊富
人造大理石のカラーは、白しかないと思っている方は割と大勢いらっしゃいます。
しかし人造大理石は、天然の大理石と樹脂を混ぜ合わせて加工したものですから、実はカラーのラインナップも多いんです。
メーカーによっては、グレー系のシックな色、柔らかな印象を与える淡いピンク系の色、木素材と馴染みやすいベージュ系の色など、さまざまなカラーが揃いますから、お好みで選択することが可能。
ステンレスのキッチンはどうしたってカラーが一択になってしまいますが、色を選べるのは人造大理石の大きなメリットと言えるでしょう。
デザインが豊富
人造大理石は、カラーが豊富なだけでなく、質感・デザインにもこだわることができます。
マットでサラサラとした質感のものもあれば、ツルツルとした光沢感あるもの、石目調、砂目調などさまざま。
インテリアはカラーだけでけでなく、質感でも雰囲気が変わるので、より好みにあったデザインが選べます。
キズを研磨で消しやすい
人造大理石のキッチントップは、ステンレスと比較してキズが目立ちにくいというメリットがありますが、さらにキズがついてしまっても紙やすりなどで研磨すれば、キズや汚れを落とすことができるのです。
毎日使うキッチンは、食器を落としてしまったり、鍋やフライパンがぶつかってしまったり・・・なにかとキズや汚れがつきやすくなってしまいます。
大がかりなことをせずにキズや汚れが消せるのは大きなメリットだと言えるのではないでしょうか。
天板とシンクを一体化できる
選ぶ素材にもよりますが、例えばシンクをステンレス、天板を人造大理石にしたとします。
こういった組み合わせのキッチンだと、どうしても異なる素材をつなぐためにつなぎ目ができてしまうのです。このつなぎ目は、汚れやカビが発生しやすく、また劣化しやすいのが難点。
しかし人造大理石だけのキッチントップ(天板+シンク)にすれば、天板とシンクが一体化したつなぎ目のないキッチンを実現することができるのです(ただし天板もシンクもステンレスであれば同様に一体化が可能)。
音が響かず静か
人造大理石は、食器をシンクに落としてもステンレスのように響きにくい性質を持っています。
フォークやスプーンなど、ステンレス同士が鳴る金属音が苦手な方には、とても重要なポイントといえるでしょう。
水垢が目立ちにくい
キッチンシンクの汚れと言ったら、一番に思い浮かぶのは「水垢」かもしれません。
ステンレスはこまめに掃除をしないと、どうしても白くなっていきますが、例えば白っぽい色の人造大理石なら汚れが目立ちにくいんです(色による)。
人造大理石のお手入れは、基本的に中性洗剤でシンクを洗うだけでいいので忙しい方にもおすすめです。
人造大理石のデメリット
デザイン性の高さや、水垢が目立ちにくいなど良い部分を持った人造大理石ですが、実はデメリットもあるんです。
次に人造大理石をキッチントップにするデメリットを見ていきましょう。
シミが残りやすい
人造大理石は、天然大理石を含む材質です。なので、多孔質(表面にミクロな隙間があること)になっていて、シミができやすいんです。
うっかり醤油など色が濃い調味料をシンクに垂らしてそのままにしておくと、落ちない汚れになってしまうことも・・・。
毎回洗い物をすぐにやり、サッと掃除をする習慣をつけることで予防できるでしょう。
黄ばみが出る可能性がある
人造大理石は、どうしても経年劣化で黄ばみが出てきてしまいます。
オフホワイトであればそれほど気にならないかもしれませんが、真っ白なキッチンを検討されている方は、色が変化することを知っておくとよいでしょう。
ちなみに、キッチン上部の照明を暖色カラーの白熱灯にすると、黄ばみが目立ちにくくなります。
キズがつきやすい
人造大理石は種類にもよりますが、ステンレスと比べて衝撃に弱く、例えば重い鍋などを落としてしまったときにキズがついてしまったり、場合によってはヒビが入ってしまうことも。
しかしステンレスと違って人造大理石は、キズが目立ちにくく、またついてしまったキズを研磨することで消すこともできます。
ただしあまりに深いキズは研磨してもキレイに消せない場合があることは覚えておきましょう。
もらい錆が発生しやすい
もらい錆(サビ)というのは、金属製品の錆がこびりついてしまう現象のこと。
人造大理石はもらい錆が発生しやすい材質とされています。ただし、これはステンレスも同様。
空き缶や錆の出る包丁、また場合によってはヘアピンなどを、キッチントップやシンク内に長時間置かないことで予防できます。
火災が起きると危険
人造大理石は、アクリル樹脂を使用していることがほとんどなので、可燃物になります。
なので万が一火災が発生した時に、キッチンのワークトップ(天板)に燃え移ったり、溶けたりしてしまうのです。
不完全燃焼の状態になり、一酸化炭素など有毒なガスが出てしま可能性も。
とはいえキッチンは家の中でも特に火災に細心の注意を払うべき場所。キッチンに非常口を確保したり、ガスコンロではなくIHコンロにするなど工夫をしましょう。
ステンレスのメリット・デメリット
ステンレス製のワークトップ(天板)は、昔からある定番のキッチンで、少し野暮ったいイメージがありますよね。
しかしこのように最近のステンレスキッチンは、海外のおしゃれなレストランの厨房のようなカッコイイデザインに仕上げられます。
次にステンレス製のキッチンにしたときのメリットとデメリットをみていきましょう。
【メリット】
- カッコイイ雰囲気になる
- 錆びにくい
- 熱に強い
- 汚れが染み込みにくい
- 自由に表面加工できる
- 比較的安い
【デメリット】
- 色合いが無機質
- 音が響いてうるさい
- 水垢が目立つ
- 使っていくうちに光沢がなくなる
- もらい錆が発生することがある
ステンレスのメリット
まずはステンレスのメリットからみていきましょう。
錆びにくい
ステンレスは、錆びにくい性質を持った素材です。
というのも、ステンレスは表面に非常に薄い酸化被膜をつくるため、例えキズがついてもキズによる隙間などが錆びることはほとんどありません。
熱に強い
ステンレスの一般的な耐熱温度は、なんと700~800℃。
なので熱い鍋を置いても、焦げつきにくく丈夫な素材なのです。
汚れが染み込みにくい
人造大理石は、汚れを放置するとシミになって残ってしまいますが、ステンレスは布でさっと拭くだけですぐに落ちます。
頑固な汚れも、中性洗剤やメラミンスポンジ、クレンザーで簡単に落ちるので、お手入れがラクなのです。
自由に表面加工できる
ステンレスキッチンは、インテリアや好みに合わせて自由に表面加工することができます。
例えば表面を細かな凹凸(エンボス)加工にして、キズを目立ちにくくすることも可能。
他にも、ツヤ消し加工をして上品な見た目のキッチンデザインにすることもできます。
比較的安い
ステンレスキッチンは、掃除が簡単で耐久性にも優れている上に、価格がリーズナブルです。
メーカーによって価格が変動しますが、安いもので15万円ほど(施工費・人件費等の諸経費を除く)。もちろんピンキリではありますが、安価なのは魅力でしょう。
人造大理石だと安くても50万円ほどなので、ステンレスは非常に経済的なんです。
ステンレスのデメリット
手入れがしやすく高品質であるステンレスですが、見た目や音に関するデメリットがいくつかあります。
それぞれどんなデメリットがあるのか詳しく解説します。
色合いが無機質
ステンレスは無機質で、人造大理石とは対照的の印象です。
とはいえ、その無機質で厨房のような印象が良いという声も。あえて総ステンレスでキッチンを造るという方がいらっしゃるのも事実です。
ステンレスは無機質ですが、こういった垢抜けたインテリアが好みの方にはおすすめです。
音が響いてうるさい
ステンレスキッチンは、分類的には金属の仲間です。
なのでステンレスの調理器具やスプーン・フォークなどがシンクに落ちると、音が響いてうるさく感じる方も多いようです。
また最近はほとんど見かけませんが、熱湯をこぼしたときにステンレスが熱膨張して「ボコン」という音がする場合も。
水栓から水を出した時の音も、ステンレスと人造大理石では異なるので、音のデメリットも理解しておくといいでしょう。
水垢が目立つ
水垢は、水分が蒸発することによって水道水の中に含まれる、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分が残ってしまう現象です。
ステンレスは、人造大理石よりも水垢が目立ちやすく、取れにくいことがあります。
普段日常生活で洗い物をしたあと、こまめに毎回水分を布で拭き取ることで水垢予防できるでしょう。
使っていくうちに光沢がなくなる
ステンレスキッチンは、最初はピカピカで光沢感があっても、どうしても使っていくうちにくすんでいきます。
原因は水垢や、調理器具による細かいキズ、野菜を洗った時の泥、油汚れなど仕方のないものばかり。
しかしステンレスは定期的にコーティングしたり、専用の研磨剤などで磨いたりすれば、またツルツルピカピカに戻ります。
もらい錆が発生することがある
ステンレスも人造大理石と同様、鍋などからもらい錆(金属製品の錆がこびりついてしまう現象)を発生することがあります。
金属のステンレスは、どうしてももらい錆が発生するとステンレス自体が錆びたような見た目に。
金属は長時間、ステンレスシンクの上に置かないよう注意しておけば予防できるでしょう。
人造大理石のワークトップ(天板)が希望ならプロにまず相談を
今回は人造大理石とステンレスのメリットとデメリットを紹介しました。
キッチンのワークトップ(天板)を人造大理石にしたいという夢を持っている方も多いと思います。
とはいえ今回のデメリットを読んで、「やっぱり断念してステンレスにしようかな・・・」と感じた方も多いかもしれませんね。
しかし、夢だった人造大理石のワークトップ(天板)、簡単に諦めるのはおすすめしません。高品質・高機能な商品を上手に選べば、焦げつきが出ることもほとんどありませんし、人造大理石にもメリットはたくさんあります。
少しでも悩んでいるのであれば、早めにプロに相談してください。
人造大理石の商品も日増しに品質が向上していますから、正しく情報を理解したうえでご自身やご家族が納得できるキッチンを見つけましょう!
山京建設のお客様でも、インターネット等で「焦げつきが出てしまう」といった情報を見て人造大理石を諦めてステンレスにしようか・・・という方がいらっしゃいます。ご相談いただければ、最新の商品情報を踏まえたうえでご提案ができますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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